ビート―警視庁強行犯係・樋口顕

Posted By on 2013年12月20日

樋口 顕のシリーズを立て続けに3作読む。
今野敏は、僕と同い年。
樋口 顕も、同い年の設定。
今野敏は、樋口の言葉を借りて
自分自身のことを語っているようだ。
「おれたちは、団塊の世代の後始末をしてきた。」
「安田講堂の騒ぎを中学の時に見ていた。
ああはならないように考えてきた。」
確かに僕の世代は、大学の学生運動を思春期に目にして
高校の学生運動の終末期に高校に入っている。
実際、僕が高校に入学した年、
小火事件をめぐって、
学校側と3年生の一部が対立している姿を見せつけられた。
「僕らは、こんなことにつきあわない。」
と、僕たちは思っていた。
1955年生まれというのは、そういう世代だ。
樋口の語る我々よりも下の世代への不満というものも、
ぴったりと共感してしまう。
推理もの、警察ものというジャンルよりも、
同世代の思いを重ねて読んでしまう。

About The Author

Comments

Comments are closed.