きょうの一冊 【11】

Posted By on 2013年12月17日

「したきりすずめ」

文 石井 桃子

画 赤羽 末吉

昔話は、絵本よりも語り聞かせ(ストーリーテリング)の方がいいと考えます。

でも、なかなか覚えてお話してあげるだけのゆとりのない方も多いでしょう。

そういうとき、やっぱり絵本ですね。

ただし、昔話はおかしな再話があるので、気をつけて下さい。

残酷な場面をあえて書き換えてしまっているものが、よくあります。

例えば、「かにむかし」で、さるがごめんなさいと謝って許してもらうという再話がありますが、

母ガニを殺しておいて、それですむというのは、おかしいでしょう。

実は、こういう話は子どもの心の奥底に不安を残すのです。

悪いことをしたやつは、必ずひどい目に合うからこそ、

子どもは正しく生きることに安心が得られるのです。

こういう残酷さを想像の世界で体験するから、いいのですね。

赤羽さんの絵本は、子どもの頃は気持ち悪い絵と感じて、嫌いでした。

今は、この絵がいいと思っています。

 

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