エピソードで語る・・・中村健一
Posted By taga on 2013年5月22日
堀さん、石川晋さん、山田洋一さんと続いているシリーズ本。
僕は堀さんと晋さんのものは読んだが、書評は書いていない、
僕は彼らのこの本は、若手には分からないと思っている。
特に文学性のない人には、結局一部分だけを感じることしかできないように思う。
例えば「島田雅彦」を読まずして、堀さんの言っていることの理解はできない。
しかも、感性の高い若いときに読んだかどうか。
学生から教育のセミナーに参加したり、
実践の教育を聴くのに行き来する若手に、堀さんや晋さんたちの本を読破しうるのか、
そう思うからである。
こう書いて反発する若手がいるなら、その若手たちこそ、これからの教育をになうだろう。
で、中村健一さんの書。
彼にはそういう重さは全くない。
上記の二人とは、全く違う文体である。
(堀さんと晋さんの文体も全く違うが、格調は似ている)
真面目に書いているが、中村健一は、どこまでいっても中村健一である。
「アバドの『春祭』を聴きながら・・・」なんてことは、絶対に書かない。
この本は若手にも理解できる。
彼の流れてきた(あえて進んできたと言わない)道がよく分かる。
だいたい、なんだ、このふざけた表紙は。
カエルのかぶりものとスーツ。
こんなこと、誰ができるだろう。
赤坂真二も無理。
堀さん、くやしかったらクマモンのぬいぐるみで講座をしてみて。
晋さん、キタキツネのかぶりものかぶって、絵本を読み聞かせしてみて。
僕は、こういう彼を尊敬している。
「お笑いなんとかシリーズ」の本じゃないんだぜ。
この真面目なエピソード本に、このかぶりもの。これを本物という。
さらに凄いのは、明治図書の本の中で黎明書房の宣伝をしていること。
この男にタブーはない。
中村健一さんと初めてであったのは、新潟での講座だった。
カエルのかぶりものが講師紹介の写真だなんて、なんとふざけた野郎だろうか。
そう思って見物に行った。そして、圧倒されて、彼の著書を10冊買って若手達に配った。
そこから、二人の交流が始まった。
おふざけではなく、「笑い」なのだ。
演芸ではなく、教育なのだ。
「わたしの武器は口先一つ」・・・いい言葉だねえ。
この本を読んだら、目の前がぱっと明るくなるような気がする、
って、褒めすぎかなあ。
友だちを持ち上げるのって、みっともないよね。
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