昔話の本を紹介してください

Posted By on 2013年5月10日

親塾のアンケートで、

どんな本が良いかとの問い合わせがあったので、

紹介する。

 

「ママお話聞かせて1生きる力を育てるお話編」

松谷みよ子 かたりの昔話

 

これは、日本も世界も合わせて入っているので、

便利である。

 

僕は今回、たくさんお話をしました。

その中の一つを、読み原稿のまま、ここに示します。

○ 「七羽のカラス」

この話は、ご存知ですか。

七人のお兄さんたちとかなり年が離れて、女の子が産まれました。

父親はとても喜んで、その娘を大事にしました。

あるとき、ほんのちょっとしたことが原因で父親は切れました。

兄さんたちに向かって、怒りにまかせて

「お前たちなんか、カラスになってしまえ。」

と叫んだら、本当にカラスになって、飛んで行ってしまうのです。


これは、怒りにまかせた言動が悲惨な結果を生むということを表しています。


さて、その娘は大人になって、自分たちには兄さんがいて、

それは娘がきっかけになってカラスに変えられてしまったということを知ります。

そして、どんなことがあっても、兄さんたちをとりもどそうと決意して、旅にでるのです。


昔話では、よく主人公は旅に出ます。

これは、人間の成長にとって、旅が重要な意味を持つのだということを表しているんですね。


そして、娘は、お日様やお月様に食べられそうになるなどの、

さまざまな困難を乗り越えて、

やっとカラスの兄さんたちの家にたどりつくのです。

ところが、そこまで来て、お星さまからもらった、

門を開けるカギである、ウズラの爪を落としたことに気付くのです。

娘はどうしたかと言うと、自分の小指を切り落として、

それをカギにして扉を開けるのです。

自分の指を切ってカギに使うなんて、すごいことをさらっとやってしまう。

そのことによって、兄さんたちをとりもどすことができるのです。

何かを成し遂げるには、大きな代償がいる、

それをためらいなく実行することで、物事はなしえる。

そして、愛情があれば、なにごとも乗り切っていけるのだということが、

昔話を通じて、子どもの心の奥底に残っていくというわけです。

 

 

 

 

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