矜持 4

Posted By on 2012年9月28日

あるとき、一人の男の子が

女の子に乱暴をはたらいた。

 

「急に後ろから蹴ってきた。」

と、女の子は、泣きながら訴えてきた。

 

日頃は、男同士でも、まず、そういう乱暴なことはしない子なのに

どうしてかなと思い、

話を聞いた。

 

やったことは、全て認めた。

「悪いと思っています。」

とも、はっきり言った。

 

でも、

「どうしてそんなことをしたの。」

と聞いても、決して口を開かない。

 

「君の気持ちも聞きたいんだけど・・・。」

と言っても、黙っている。

 

そのとき、はっと気づいた。

 

「理由は、言いたくないんだな。」

と言うと、黙って大きくうなずいた。

 

「分かった。でも、二度とするなよ。」

 

誰でも、恋はする。

 

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