細やかな言葉を

Posted By on 2012年9月18日

※ 親塾「国語の大切さ」その3

ここから、少し、話の流れを変えます。

今どきの子どもを取り巻く言語環境について話しておきましょう。

今の子どもたちは「勇気」や「思いやり」、「情熱」「努力」といった言葉を、

高学年になるほど堂々と使えなくなってきています。

例えば、ださいという表現によって、そうした美しい言葉を使うことを、

まるでいけないことであるかのようにしてしまう風潮があります。

しかも、それが次第に低年齢化してきているような気がするのです。

「けっ、いいかっこうしやがって。」

そんな言葉が中学年の子どもたちの意欲を奪うときさえあるのです。

美しい言葉の持つイメージを、ちゃんと描けない子も出てきているのです。

また、言葉にはイメージというものがあって、

言葉がそのイメージで人を傷つけることがあるということを知らない子どももいます。

そして、人を癒すような言葉を知っていても、

その使い方と使い場所を考えられない子どもたちもいます。

このような子どもたちには、言葉のイメージを認識して、

その使い方を考えていくような言語姿勢をつける必要があると考えています。

たとえば、「むかつく」という言葉の表す心は

・・・・ 腹立たしい   いやだ   気持ち悪い   みっともない  気分悪い

うっとおしい   ねたましい  イライラする

など、さまざまですね。

それを「むかつく」の一言で言い切ってしまっている人間に、

細やかな心など育っていくはずがありません。

細やかな言葉を使うことが、

細やかな心を育てる。ということだと思っています。

ていねいに言葉を教えることが、

子どもの心を育てることになるということです。

 

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