七夕に思う
Posted By taga on 2022年7月7日
25年前、
一年生担任で、入学式の受付で子どもたちを出迎え、
バラの造花を胸に付けていた。
そこに現れた身体の大きな子ども。
顔は包帯でぐるぐる巻。
聞けば、空き地のドラム缶で
物を燃やしていたところへ
スプレー缶を放り込んだのがいて、
爆発。
炎が飛んで、彼の顔にかかり、
大火傷を負ったそうだ。
阪神大震災の翌年で、まだ、そういうことがあった。
彼を見て、子どもたちが
「ミイラだー」「お化けや」と騒ぐ。
暑くなってきて、カサブタの顔が疼くのか
いつもイライラしていた。
誰かが触れると、咄嗟に手が出てしまう。
「乱暴者」というレッテルが貼られる。
僕が、いくら庇って説明しても
実際、乱暴してしまうから
みんなから、浮いてしまう。
その彼が七夕の短冊に書いたのは
「ぼくはみんなとなかよくしたい」
という言葉だった。
それを読んだとき、心が潰れるような思いがした。
二学期になって、包帯もとれ、
色白だったんだと分かる頃になると
彼は友達がケンカしていたら、
二人の間にに体を入れて仲裁するまでに
成長した。
七夕の短冊を見たら、
いつも思い出して、胸が熱くなる。
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